2011年1月27日木曜日

苦しんで覚えるC

何ともストイックなタイトルですが、苦しんで覚えるCは、内容は看板の通りストイックな文面ですが、よくできた入門だと思います。少なくとも、大学でよく使われている、文系の学生でも読みやすいらしいベストセラーの某入門書よりはよくできていると思います。先日、訳あってこの入門書を買って読みましたが、私の正直な感想は「こんなんで分かるの?」でした。

大学の PC 室とかに C言語の開発環境を構築するのは、スタッフががんばればできますが、入門者の自宅の PC にリモートでそれをやるのは不可能に近いタスクです。苦しんで覚えるCでは、学習用C言語開発環境を無料配布しています。これはTiny C Compiler※を内部に持ち、統合環境ながら、わずか 1.1MB のインストーラを実行させるだけでインストールできます。

※ Tiny C は C language support を読む限り、ANSI C に完全準拠で、入門用として問題はないようです。

プログラミングの入門者に C言語の使い方を教えるには、エディタの使い方、コマンドラインの使い方、コンパイラの使い方、そしてオブジェクトコードの実行方法まで説明する必要があります。入門者にとって、これは大変な苦痛です。プログラミング教育が失敗する原因の一つでしょう。入門者には、とにかく「おいしい部分」へスムーズに到達させることが至上命題です。成功体験の繰り返しによって、楽しさを体感してもらうことが何より大切です。学習用C言語開発環境では、初回起動時に、サンプルコードが記述されたファイルを含むデフォルトプロジェクトがオープンされており、エディタ上でサンプルコードを書き換えて、メニューからコンパイル、実行を選択するだけです。素晴らしい!

ちなみに、私のおすすめ入門書は、某ベストセラーではなく、鈴木正人先生が書かれた「実践 C プログラミング」です。入門にありがちな問題のあるコード (バッファ・オーバーランなど) を排除しているので、変なクセを付けないで済みます。

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