2010年11月29日月曜日

MO は既に終了していた

我が家には、光磁気ディスク (MO) が 40枚ほどあります。MO は保存特性が素晴らしいと言われますが、それを読み書きするドライブには耐久性がなく、劣化したドライブは記録データを破壊して不良セクタの山を作ります。ドライブのあまりの信頼性のなさに呆れて放置したという経緯から、中に何が入っているかも把握できていないのですが、懐かしいデータが出てくるかも…ということでサルベージをすることにしました。

とりあえず USB で接続できる MO ドライブを…ということでヤフオクで落札してきました (800円) 。届いたので、早速…と思ってつないでみると…あれ? だめじゃん…。ドライバがいるのかよ…。Mac OS 8 と 9 対応か。はい終了…。という悲しい現実。

USB だし、とりあえずつなげば動くだろう、と対応確認を怠っていたのは私です。初期の USB デバイスは、汎用ドライバに対応していないというのはありがち、というのを忘れていました。仕方ない、ちゃんと対応している MO ドライブを探すと…、ことごとく Mac OS X 10.5 までの対応。この理由は、10.5 と 10.6 の間の深い溝、つまり PowerPC モデルの切り捨てです。MO が風前の灯火であったのは知っていましたが、Intel Mac には対応できなかったのですね…。

FireWire 接続の MO はドライバが要らないようで、再度落札して試してみます。それにしても、最新の製品が 2004年って…。MO のサルベージをご計画中の皆様、ご対応はお早めに。

2010年11月4日木曜日

自炊ケーススタディ: マンガ週刊誌編

マンガ週刊誌の紙質は皆様ご承知の通り、若干アレな感じです。自炊したいと思ったところで、これを白黒 2階調でスキャンすると、とても読めるクオリティにはなりません。かと言って、カラーでスキャンするのも少し引っかかるところがあります。

要するに、カラーでスキャンすると左のような感じですが、仕上がりはグレースケールで、右のような感じにしたいのです。

※ 引用: ハヤテのごとく! 293話 chAngE

これを Automator でやってみましょう。とりあえずカラーでスキャンし、それを Automator でグレースケール化すればよいのです。

Quartz フィルタを作る

この処理では、Quartz フィルタを使います。Automator を動かす前に、ColorSync ユーティリティでフィルタを作ります。ColorSync ユーティリティは、“アプリケーション” フォルダの中の “ユーティリティ” フォルダの中にあります。起動すると、以下のようなウィンドウが表示されます。表示されない場合は、“ファイル” メニューから “新規ウィンドウ” を実行し、“フィルタ” のアイコンをクリックしてください。

ウィンドウ下部の “+” ボタンを押して、新しいフィルタを作ります。フィルタの名前の入力を求められますので、適当な名前を付けます。この例では、“Gray Tone (Comic Books)” と入力しました。

フィルタの機能を決めます。右側の黒い丸の中に下三角のアイコンをクリックするとメニューが出てきます。このメニューを使って、以下の 3つの画像処理を追加します。

  1. “カラー管理コンポーネントを追加” の中のサブメニュー “プロファイルの割り当て” を実行し、現れたポップアップメニューから、一般グレイガンマ 2.2 プロファイルを選択します。
  2. “カラー管理コンポーネントを追加” の中のサブメニュー “中間変換” を実行し、現れたポップアップメニューから、彩度を選択し、スライダーを一番左 (彩度ゼロ = グレースケール) に設定します。次に、その右側の + アイコンをクリックし、もう一つの変換を追加します。現れたポップアップメニューから、明度を選択し、明度のスライダーを下のように設定します。この設定は、よく分かっていないのですが、おそらく左のスライダーから、シャドウ、中間、ハイライトの各領域の明度を変えるものと思います。これによって、微妙な紙質の影響を受けてグレーになっている部分を白または黒の方向に寄せます。
  3. 最後に、“イメージ管理コンポーネントを追加” の中のサブメニュー “イメージの圧縮” を実行し、モードを JPEG 、品質を中間くらいに設定します。

作成したフィルタは、以下のようになります。

設定が完了したら、ColorSync ユーティリティを終了します。なお、作成したフィルタは ~/Library/Filter/ に保存されています。

Automator でサービスを作る

次は、Automator でサービスを作ります。このサービスは PDF ファイルを受け取ることとします。“Finder 項目をコピー” と “Quartz フィルタを PDF 書類に適用” の 2つのアクションを下のように配置します。 “Quartz フィルタを PDF 書類に適用” のフィルタのポップアップは、先ほど作成した “Gray Tone (Comic Books)” に設定します。

ワークフローを保存します。“PDF をグレースケール化 (Comic Books)” などと名前を付けておきましょう。

使い方

まず、ドキュメントスキャナで、カラー設定でスキャンし、PDF ファイルを作成します。再エンコードするので、なるべく低い圧縮率を選択し、ノイズが乗らないようにした方がよいでしょう。

Finder でグレースケール化したい PDF ファイルを選択し、control キーを押しながらクリック (または右クリック) すると、先ほど保存したサービスが選べますので実行します。そのファイルがデスクトップにコピーされ、グレースケール化されます。

サンプルで使用したオリジナルのファイル (合計 16ページ) は 24.5MB 、出来上がったファイルは 12.3MB でした。

色々と試してみて、お好みの設定を探すのがよいでしょう。マンガ週刊誌以外の本にも、応用の効くワークフローです。